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MSR 2450mm対応スリッターで第9世代フィルムも加工スリッター加工に加え、外観検査ビジネスも軌道に大気圧プラズマユニットを導入しフィルムの表面改質も

 
Q:貴社は絶縁フィルム、金属箔のスリット加工・ラミネート加工メーカーとのことですが、FPD関連事業は。
A:従来はFPDとはさほど縁がありませんでしたが、近年はFPD用光学フィルムのスリット加工ニーズが増大しており、当社にとっても成長分野と位置づけています。こうした一貫で04年夏に2450mm幅対応のスリッターラインを第2工場(大阪府松原市)に導入しました。

Q:04年に2450mm幅対応機とはずいぶんスピーディかつ思い切った決断ですね。

A:FPD業界ではニーズを先取りしていかなくてはサバイバルできないと思っており、そうした考えから少なくとも5年間は業界ニーズに十分対応できるようにと思い切った投資をしました。幸い、こうしたアグレッシブな姿勢と技術力が評価されて、この1〜2年、FPD用光学フィルムのスリット加工ビジネスがかなり伸びてきました。
Q:しかし、このサイズだと投資額は数億円になるのでは。
A:さあどうでしょう(笑)。投資額を抑制するため、スリッターは自ら設計し、機械メーカーに製作を委託したので、完成品を購入するよりは安かったと思いますが(笑)。
Q:もちろん、クリーンルーム対応ですね。
A:はい。クラス1000〜10000に対応しています。
Q:そもそもスリット加工しているFPD用光学フィルムとは。
A:位相差フィルム、視野角補償フィルム、拡散フィルム、偏光フィルム、偏光板用TACフィルムといったLCD関連、また最近ではホログラムやARフィルム、ガラス基板研磨用粘着テープなども手掛けています。
Q:ただ、まだ2450mm幅フィルムの加工はないのでは。
A:そうですね。現在は最大でも第7世代用フィルムです。
Q:ユーザーが加工の立会いをすることは。
A:可能ですが、リアルタイムモニターでの立ち会いになります。もちろん、そのユーザーから受託した加工で得られた情報はすべて開示します。そうしないとユーザーにとってもフィードバック情報が得られませんから。

フィルタリングで原反のロスを最小限に
Q:最近は単なるスリット加工だけでなく、新たな付加価値ビジネスを展開していると聞きましたが。
A:はい。それが“フィルタリング”ビジネスです。光学フィルムを目視検査してNG箇所を切断除去します。ご承知のように、原反フィルムは数百m巻きが一般的で、NG箇所を放置すると、その損害は大変な額になります。
Q:その検査方法は。
A:高輝度の蛍光灯バックライト越しに検査員が目視で検査します。ただ、検査員によって検査基準が異ならないよう、3人がかりで重複チェックします。もちろん、検査員は3〜6か月トレーニングしてから実戦に配置します。幸い、当社には北田慎二専務をはじめ別の会社で印刷、コーティング、ラミネートといった加工経験があるエンジニアがいますので、欠陥がどのような原因で発生したのか予測がつくこともあり、そうした知見もユーザーから高い評価を得ています。
Q:検査といってもフィルムの種類、またメーカーによってかなり判定基準が異なるのでは。
A:おっしゃるとおりです。CCDカメラで認識できないグレー欠陥を探すわけですから、NG、グレー、OKの判定はユーザーと詳細な打ち合わせをした後、それなりの時間を経ないとパーフェクトにはなりません。つまり、初期段階では「こうした欠陥がみつかったが、これは本当にNGと判定していいのか」という打ち合わせをユーザーと頻繁に行います。そして、ある程度基準が完成して、数が出るようになれば当社でNG箇所を切断除去するという形になります。もちろん、目視検査は目にかなりの負担がかかりますので、2時間に1回は休憩を入れるようにしています。
Q:というと、検査料金は時間制ですか。
A:そのフィルムの開発・試作段階を中心とした初期はそうなります。それなりの時間が経過し、数量もはけてくれば、m2あたりいくらという面積あたりの受託金額になります。幸い、これまでフィルタリングビジネスでユーザーからクレームが来たことは一度もありません。それだけ当社の検査能力は高いと自負しています。また、非常に高価な原反を扱うわけですから、取り扱いにも細心の注意を払っており、例えば検査・加工した原反を出荷する際にも搬送ドライバーに声をかけています(笑)。
Q:このフィルタリング事業はユーザーサイドでは、貴社の検査能力が高いから外注しているのか、それとも貴社の検査コストが安いから外注しているのかのどちらでしょうか。
A:それはユーザーによって異なるますのでなんともいえません(笑)。

ダイレクトプラズマ処理で高速処理
Q:こうしたフィルム加工ビジネスの発展形として大気圧プラズマ処理ユニットを2450mm幅対応スリットラインに導入すると聞きましたが。
A:はい。7月に積水化学工業の大気圧プラズマ処理ユニットを導入します。
Q:スリット加工やフィルタリングに表面改質なんて必要なんですか。
A:確かに必要不可欠というわけではありませんが、プラズマ処理によって有機物の残渣などを除去すれば、これまでグレーと判定していたものをOKと判定できるなど擬似欠陥も少なくなり、検査効率が向上します。ただ、最大の目的は将来フィルムの表面改質ビジネスに進出することにあります。フィルムの表面改質、なかでも安価な大気圧プラズマ処理については意外と知見が少なく、当社で技術を習得してビジネスにつなげたいと思っています。
Q:つまり、今回のプラズマ処理ユニットはそうしたニュービジネスのフィージビリティスタディでもあるわけですね。
A:そうですね。FSにしては投資額がかかりますが(笑)。
Q:その投資額は。
A:6000〜7000万円と解釈してください。
Q:対応サイズは2450mm幅ですか。
A:とりあえずは1600mm幅にします。
Q:方式は上部のスリット部からプラズマを照射するリモート方式ですか。
A:フィルムの上下に電極を設けるダイレクト方式です。リモート方式はワーク上にメタルがある場合、スパークの危険があり、FPD生産ラインでは主流と聞いてますが、フィルムの上にはメタル膜がありませんので、高効率なダイレクト方式を採用します。

CCLの切断技術も確立
Q:これまではフィルムの話でしたが、その他のFPD関連事業は。
A:本社工場(大阪府松原市)でFPC基板であるCCLのスリット加工を手掛けています。本社工場は第2工場と違い、小型ワークをフレキシブル加工するという位置づけで、2層CCLや3層CCLを加工しています。
 ご承知のように、CCLは金属箔がラミネートされたフィルムで、硬い金属箔と柔軟な樹脂フィルムでは切るための条件が異なります。例えばCCLを金属箔の条件で切ろうとすると樹脂フィルムを切ることができず、刃物がCCLを引っ張りながら切ってしまうため、フレアができてしまいます。一方、樹脂フィルムの条件で切ろうとすると金属箔が切れず、やはりフレアができます。フレアが生じると、ユーザーサイドにおける回路エッチング時に品質不良が発生し歩留まりが大きく低下します。
 これらは積年の課題でしたが、特殊な刃物材質と接圧コントロールを組み合わせることによって金属箔と樹脂の弾性率が一致する点で切る条件を見出しました。この条件だとCCLを延ばさずにスパッと切るためフレアができません。
Q:具体的な条件は。
A:それはノウハウということで・・・・・・(笑)。
Q:では、最後に今後の抱負を。
A:当社は量産加工はもちろんですが、ユーザーの開発・試作のサポートをしたいと考えており、こうしたニーズにできるだけ応えられるよう、今後も設備・人的体制を整えていきます。そのために、2010年頃にも本社工場、第2工場、中国工場に次ぐ第4工場を建設する予定です。もちろん、それには既存工場が3交代制でフル稼働に近くなるのが条件ですが・・・・・・(笑)。

 
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